小学生の頃はノートに適当な漫画を描いていた程度で「将来は漫画家になりたい」とは考えていませんでした。
中学、高校はバレーボールに熱中していましたし。 漫画家になろうと思いついたのは大学生になってからです。しかも「漫画家になりたい」というより、大学を辞める口実が欲しくてなりました。
Q大学を辞める口実が欲しくて漫画家に!?
映画が好きで映画制作関係の仕事がしたいと思い、芸術系の学部のある大学を受験したのですが落ちてしまった。仕方なく一般の大学に入学したものの、映画サークルに入っても活気がない。「このままここにいても仕方ない、辞めたいな」と思っていました。
ちょうどそんな時、少年ジャンプ(集英社)のギャグ漫画の賞の募集(『少年ジャンプ』GAGキング賞)をたまたま知って応募してみようかな、と。
技術はなくても「おもしろければ何でも良い」というようなフリーな賞でした。
小学校の頃から、ギャグセンスはぶっちぎりだったので「まあいけるだろう」と。「もし漫画家になれたら大学を辞める口実も出来るな」と考えて応募しました。
Q結果は?
じつはずっと連絡がなくて、応募した事さえ忘れた頃に受賞の電話がかかってきました。親が電話を受けて「集英社から電話だよ」と。
「え!?なんだっけ」と一瞬、わからなかったのですが
「そう言えば応募していたな」と思い出し
「わあ、やった!やった!」となりました。
大学は結局、「漫画家になってもモノにならないかもしれないから、籍だけは残しておきなさい、と言われ、3年間、籍だけ残して大学生連載していました。
Qそのあとは割りとトントンと。
そうですね、1年ほど読みきり漫画『さる大使』『GOGOポチョムキン』を描いて、『モンモンモン』で連載デビューしました。
平均睡眠時間は4時間~5時間
2,3年前に失神して倒れてしまった事がありました。
病院で検査を受けても原因はわからなかったのですが、先生からは「明らかに睡眠時間が足りない」と言われました。 それからは例え原稿が遅れようとも、毎日寝るようになりましたし、多少、睡眠や健康にも気を配るようになりました。
いまはリストバンド型のウェラブルデバイスを利用して、睡眠を管理しています。 「睡眠」の記録機能があって、浅い睡眠、深い睡眠、途中で起きた時間を自動的に認識し記録しています。一日の運動量や歩数、消費カロリーを自動的に記録したり、日々の食事、気分、体重の登録も可能です。 ちなみに昨日の睡眠時間は1時間54分です。平均睡眠時間はもう少し長いですけど。
Qそれしか寝ていないのですか!?
仕事以外の空時間をすべて睡眠にまわせばもう少し眠れるのでしょうけど、「仕事だけで一日を終わりたくない!」という気持ちが強いので、3時、4時頃まで映画を観たりしています。無理をしてでも「俺の人生、仕事だけじゃないぞ!」という気持ちで一日を終わりたいので(笑)。
睡眠時間を削ってストレス発散
Q仕事をしている時の生活リズムを教えて下さい。
ペン入れ(絵を描く)の時は、午前9時から夜中の1時、2時まで作業をします。合間合間に朝・昼・晩とご飯は食べますがそれ以外の時間はずっと描き続けます。
Q寝ている途中で目が覚めてしまったり、眠れない、という事は?
生活自体を充実させるように気を配っているせいか、それはないですね。睡眠だけとっていても、おそらくストレスが溜まってしまう。なので、なるべく運動とか映画鑑賞とかに時間を割くようにしています。
Q不規則な仕事ですけど、睡眠に対するストレスは意外と少ない。
本当はもっと寝たいですよ。でも優先順位を付けて睡眠時間を削っています。睡眠をしっかりとるほうが良いのか、何かしたいことをしてストレスをなくすほうが良いのか。そこでいつも迷って、僕は睡眠のほうを……。
ある時は、スタッフと一緒にマラソンレースに出場したりもしました。その時は、仕事が終わりの深夜2時ごろから走り出して、3時、4時くらいまで。
帰ってきてシャワーを浴びて寝て、また朝9時に起きて仕事をする、といった感じです。
非常に過酷な職場ですね(笑)。 (後編に続く・・・)