前回の図をみて、少し思い出してみましょう。
やじるしをさかのぼると、おおもとは「睡眠習慣」にたどり着きます。
毎日睡眠時間が一定しなかったり、リズムがバラバラだったり、
短眠だったりすると、いろいろドミノ式に悪い影響が及び、
結局入眠できなくなるわけです。
わたしたちの体にはもともと備わっているリズムがあり、
それが眠気と重なって、質のよい眠りに誘われていきます。
このリズムを狂わせるのは、とくに不規則な生活です。
人間は、昼間に活動して、夜に休息する「昼行性」の動物ですから、
夜に眠るのに適した身体のリズムをもっているのです。
そのため、朝、きまった時刻に起きて、
夜、きまった時刻に眠るという規則的な生活をしている方が、
そうでない人よりも、よい眠りがとれるチャンスメイクができている
ということになります。
もう一度、図をみてみましょう。
今度は、ドミノのおおもとではなく、入眠から矢印を逆にたどってみると、
どこから改善すればもっとも効果があるかを、
全体的なイメージとして眺められます。
もっとも直接的な影響が強いのは
「就眠時の精神的、身体的状態」なのですから、
まずはそこの可能性を疑ってみます。
それから、「就眠時の精神的、身体的状態」に影響を与えている要因を、
まずは「就眠環境」、次に「前夜の睡眠状態と現在の体調」、
そして「日中の精神的、身体的状態」にさかのぼって考えてみる……。
こんな順番で自分のことを見つめ直すと、
本当に自分だけの「眠りの作法」が見つかるかもしれません。
単純に、肌のかゆみがなくなれば眠れるかもしれないのですから。