さかのぼること、十数年……。
国際線の客室乗務員の仕事をやめた後に転職した 寝装品メーカーの研究所時代のこと。
仕事が楽しくてたまらなかったわたしは、ほぼ毎日5時間睡眠でした。
ベッドにまでパソコンを持ち込んで 気がつけば電気はつけっぱなし。
枕はパソコン。
そのまま朝を迎える生活を続けていました。
「眠っちゃうなんてもったいない!」
「眠るのは好きじゃないな」
睡眠の大切さを説くような仕事をしていたのに 恥かしいことに、自分の睡眠にはまったく無頓着でしたf^_^;
そんなわたしが“ねむり”に目覚めたきっかけ。
それは研究の指導をしていただいていた先生との会話でした。
「睡眠不足の高齢者は、そうでない高齢者に比べて認知症の発症率は2倍以上になる」 と先生。
認知症の発症率が 2倍以上!? え~~っ、ほんとなの!?
「でも先生、それ、高齢者の話ですよね」(わたし)
「安達さん、何を言っているの。若い時からそういう生活をしている人のほうがもっと影響がでるとは思わないの?」(先生)
「・・・・・」(わたし)
私の顔をまじまじとのぞき込む先生。
5時間睡眠だったわたしはその日から7時間睡眠に切り替えたのでした。
寝る時間を削って仕事ばかりしていたわたしがなぜ7時間睡眠に切り替える事ができたのか。
キーワードは「認知症」でした。
「認知症には絶対になりたくない!!」とわたしは心の中で強く、強く誓いました。
じつは小学生の頃、わたしの祖父は認知症になりました。
当時、経験した家族の大変な思い。
家族全員が苦しんでいた記憶がふつふつと蘇ってきたのです。
いまも7時間睡眠で健康な毎日をすごしているわたし。
来週は「ねむりが教えてくれたこと」についてご紹介します。