ひとの体内では睡眠にかかわる物質が数多く作られています。なかでも体内時計やねむりのリズムに深く関わる三つの成分「メラトニン/セロトニン/コルチコステロイド」について解説します。
メラトニン(ねむけをもたらす)
メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンでセレトニンから合成されます。
夜に暗くなると分泌され明るくなると分泌が抑えられて、ねむけをもたらす効果があるといわれます。
メラトニンは目覚めてから14〜16時間ほど経過すると体内時計からの指令で再び分泌されます。メラトニンの分泌が高まると深部体温が低下し休息に適した状態に導かれます。
夜間に強い光を浴びるとメラトニンの分泌量が減ってしまい睡眠覚醒リズムが乱れる原因にもなります。
メラトニンは年齢とともに分泌量が減っていきます。
年をとると朝早く目覚めたり夜中に何度も目が覚めるのは加齢でメラトニンの分泌量が減り体内時計の調節機能が弱まるためと言われています。
セロトニン(心を落ち着かせる)
セロトニンは「ノルアドレナリン」やドーパミン」と並び、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質のひとつです。セロトニンのはたらきが低下すると気持ちが落ち込んだり攻撃性や衝動性が強くなりストレスが溜まりやすくなります。
ご注意を!!
セロトニン不足で表れやすい症状 *症状や程度は人により異なります
疲れやすい 情緒不安定(やる気が起きない 集中力がなくなる 怒りっぽくなるなど)になる 食べ過ぎ 食欲不信 不眠 偏頭痛 欲求不満 依存症 うつ病 統合失調症 パニック障害など。
セロトニンは脳幹の縫線核にある神経細胞で作られます。前頭葉、基底核、辺縁系、下位脳幹から脊髄に運ばれ「気分」「情動」「食行動」「性的反応」そして睡眠に影響を与えます。
セロトニン不足の原因と対策
セロトニンは目が覚めている時に働きが高まり、また日光が大きく影響します。しかし現代社会は夜更かしをして長時間にわたりテレビを観たりゲームやインターネットに熱中する人が多く観られます。こうした生活を続ける事で知らず知らずのうちにセロトニン不足に陥り心のバランスを崩したりストレスを溜めてしまい健康を害していきます。
対策は「朝の光を浴びる「適度な運動を続ける」「暴飲暴食を避けてバランスの良い食事に心がける」など。規則正しい生活が何より大切です。
コルチコステロイド(生命維持に欠かせない)
コルチコステロイド(副腎皮質ホルモン)は血圧や代謝、免疫機能にかかわりストレスに対抗するように分泌され血糖値を上げたり分泌も促します。生命維持にはなくてはならない物質で朝起きた時に多く分泌されます。
朝、すっきりと目覚めてコルチコステロイドが分泌される事で昼間の活動にむけて体が活動の準備を始めますが、寝不足で午後にコルチコステロイドが分泌される状態が続くと、糖尿病や胃潰瘍になる事も考えられます。