GABA(γ-アミノ酪酸)


γ-アミノ酪酸(ガンマ-アミノらくさん)または4-アミノ酪酸(IUPAC名 4-aminobutanoic acid)は、アミノ酸のひとつで、主に抑制性の神経伝達物質として機能している物質である。
アミノ酪酸にはアミノ基のつく位置によりα-、β-、γ-の3種類の構造異性体が存在するが、γ-アミノ酪酸は、そのうちのひとつである。英語名の γ(gamma)-aminobutyric acid の頭文字をとった略称 GABA(ギャバ)が一般的に広く用いられている。
脊椎動物の中枢神経系では、主に海馬、小脳、脊髄などに存在し、また節足動物・甲殻類でも神経伝達物質として用いられている(下の項目を参照のこと)。シナプスでは、シナプス前膜から放出され、後膜の膜上にあるGABAに対する受容体タンパク質と結合して作用を発揮する。GABAは、脳内でグルタミン酸のα位のカルボキシル基が酵素反応により除かれることによって生成される。また、血液脳関門を通過しない物質であることがわかっており、体外からGABAを摂取しても、それが神経伝達物質としてそのまま用いられることはない。血圧を低下させる作用からか抑制系の反応が現れることもある。また線虫では興奮性の神経伝達物質として機能することも明らかとなった
γ-アミノ酪酸と結合するGABA受容体としては3つのサブタイプが知られており、それぞれGABAA受容体、GABAB受容体、GABAC受容体と呼ばれている。

引用:フリー百科事典 ウィキペディア日本語版