離脱(りだつ、Withdrawal) とは、医薬品や娯楽薬(英語版)のような向精神薬の減量や断薬によって生じる一連の症状を生じる状態である。禁断と訳されることもあるが、まったく薬物を断った場合だけでなく、減量の状態でも離脱症状が生じる可能性がある。禁断は「Withdrawal」ではなく、「Abstinence」である。反対に、薬物を過剰摂取したことによって生じる状態は薬物中毒である。
離脱症状は、身体症状をはっきりと示すものと示さないものがある。離脱時に身体症状を示す身体的依存が形成されている場合、とりわけ離脱の管理が必要となる。強い身体依存を形成する薬物には使用が禁じられていない薬物が多い。(危険性と法的規制が合致していないことが指摘されている)
離脱が発作を起こし、致命的となる可能性がある物質は、アルコールと、ベンゾジアゼピン系やバルビツール酸系の鎮静催眠薬である。入院を要するものは、これらに加えモルヒネのようなオピオイドである。つまり、これらの薬物に対しては、離脱時に身体症状を示す身体的依存が形成されている。とりわけアルコールと、ベンゾジアゼピン系薬、バルビツール酸系は振戦せん妄(DT)を引き起こし致命的となる可能性があり、また離脱症状が長期にわたる長期離脱症状となる可能性がある。ほかの身体依存を示す薬物は、抗うつ薬、抗精神病薬、気分安定薬である。
引用:フリー百科事典 ウィキペディア日本語版