睡眠と学業成績の関係は?


勉強も仕事も成果を上げるには量より質が大切。睡眠不足の状態でだらだら何となくやるよりは、時間は短くても集中力の高い状態で取り組んだほうが断然効率はよくなり成果も上がりますよ。
*記事は「田中・玉置.看護研究,2007」より抜

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睡眠と学業成績に関して、睡眠時間が少なく、起床時刻が遅いほど学業成績が悪くなることが国内外の研究で指摘されています。睡眠の不足や悪化は、日中の強い眠気、居眠りを誘発し、日中の学習機能や短期記憶にも影響を与えます。

3000人の高校生を対象とした海外の調査では、成績が高かった生徒は、低かった生徒と比較して生活スタイルの夜型化が進行していないことが指摘されています(Wolfson、2003)。

学業成績と就床時刻

午前1時以降に就床する生徒は、上位進学校35.0%、進学校21.6%、普通校23.9%で、予想どおり、上位進学校で最も夜型が顕著でしたが、驚いたことに、上位進学校のなかでは24時以前に就床する生徒や8時間以上の睡眠をとる生徒で、英語、数学の成績が最もよいこと、就床時刻が遅い生徒ほど、成績がよくないことが判明しました(図1)。

次いで、上位進学校・進学校では、6~7時間睡眠をとる生徒が、平均点より点数が高いという結果でした。普通こうでは、同様の傾向は認められませんでした。

1-勉強

夜型化や睡眠時間短縮の影響は、実際の教育現場における能力発揮に関してもすでに及んでいるといえます。睡眠を犠牲にしてでも勉強を、という、ひと昔前の「4当5落神話」もいまや信憑性がありません。

生徒の睡眠不足や居眠りの対処策として、昼休みに仮眠タイムを導入した福岡県の有名進学校では、導入後、学習にとって不可欠な集中力、意欲が向上したことが報告されています。

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睡眠時間を削って無理をして机に向かうよりも、コンディションを整えて、たとえ1、2時間でも集中して取り組んだほうが確実に効果が上がる。部活や習い事で忙しいお子さんは特にオンとオフの切り替えを大切にすれば、どちらも満足の行く成果が上げられるはずです。まずは大人がそれを実践し睡眠の大切さを子供たちに伝えて行きたいですね。