学力にも大きく影響する子供の睡眠不足
子供の成長に必要な睡眠時間はどれくらい?


睡眠は身体を休めるだけでなく、ヒトの知的活動を支える中枢基幹、大脳を休ませる役割を担っています。特に心身とも発達過程にある子供たちにとっては何より重要な事と言っても大げさではありません。ではいったい
子供の睡眠時間はどれくらいあれば良いのでしょうか。
みなさんも一緒に考えてみましょう。

理想より平均30分~1時間短い、日本の子供の睡眠時間

小児期に必要な標準睡眠時間

上の表は、「小児期に必要な標準睡眠時間」を年齢別に記したものです。

小学5年生(11歳)で9時間半
中学1年生(13歳)で9時間15分
中学3年生で(15歳)8時間45分
そして体格も心の成長もだいぶ大人に近づく

高校2年生(17歳)でも8時間15分
の睡眠時間が理想とされています。しかし実際、子供たちの睡眠時間はどうなっているのでしょうか。
下のデータをご覧下さい。総務省が平成23年に実施した社会生活基本調査によれば

 小学生の平均睡眠時間(2011年)は8時間41分

中学生は7時間46分

高校生ではわずか6時間54分しかありません。

子供の起床時刻と就寝時刻

また、日本小児保健協会が実施した調査では、夜10時以降に就寝する子供の割合は1歳半~6歳の全ての年齢のグループで増加している、との事です。寝る時間が遅くなれば当然、翌日は学校などが予定ありますから、子供は慢性的な睡眠不足に陥ってしまいます。

子供の睡眠不足によるおもな弊害

■肥満になりやすい

■イライラしてキレやすくなる

■疲れやすい

■集中力、注意力が散漫になる

■成長ホルモンの分泌が減少する

就寝中は血液の循環が良くなり全身に酸素が運ばれます。しかし、睡眠不足になると血液の流れが滞りやすくなり、体が冷えて基礎代謝が低下し、エネルギー消費の少ない、つまり太りやすい体質になる可能性が高くなります。さらに、睡眠不足の状態は食欲を抑制するホルモンを減少させ、食欲を増進させることが知られています。

子供の睡眠不足 (1)

子供の体を健康に成長させるために必要な成長ホルモンは、夜10時~2時の間に盛んに分泌されますが、睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌が減少。筋肉や骨の発達が妨げられて身長が伸びなくなったり、抵抗力が落ちて風邪をひきやすくなります。睡眠不足は結果として学力の低下を招いたり、学校や課外活動でもトラブルを起こしたりする原因になったりしているのです。

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目に見えない現象だけに、まさか睡眠不足がそうした事態を引き起こしているとは親も学校の先生も気付きにくいのが厄介な所です。
次回はこうした事態にどう向き合っていけば良いか。塾や習い事などで忙しい子供たちがどのようにすれば睡眠時間を確保出来るか。そして起きて活動している時間帯をどうすれば有意義に過ごせるかを考えます。