ねむりは長さも質も年齢で変わる


若い頃の睡眠を取り戻せるか!? *「S&A Report №89」より

「○歳はお肌の曲がり角」などと言われますが、実は、眠りの質も年齢で変わります。

眠りのパターンは、生まれたばかりの赤ん坊のころからどんどん変化していきます。

睡眠覚醒パターン

上の図は、年代における睡眠と覚醒の1日のパターンを模式的に図示したものです。

アミかけの部分は睡眠の時間帯です。 生まれたばかりの赤ちゃんは、何時であろうとお構いなく、授乳と排泄のために起きては、短時間の眠りを繰り返します。

生まれたばかりのお子さんを持つ親が睡眠の面で悩まされてしまうのは、この図を見れば一目瞭然。まったくといっていいほど大人とはリズムが違うためです。
ところが生まれて1年ほど経つと、夜間にまとまった睡眠がとれるようになり、昼寝の回数、長さとも減っていきます。

6歳を過ぎたところからほとんど昼寝はなくなり、夜に1回だけ取るようになります。そして老年期になると、ふたたび昼寝を取るようになるのです。つまり、睡眠の理想型は年齢によって変化するということです。
睡眠時間や睡眠の内容も年齢とともに変化します。

下の図は、下段がノンレム睡眠、上段がレム睡眠で、数字はその合計の時間です。

全体の睡眠時間も加齢とともに減っていますし、ノンレム、レム睡眠の割合も年齢とともに変化しています。

ノンレム睡眠のより深い睡眠状態が加齢とともに減少することも分かっています。

1-年齢別の睡眠

すでにお仕事をリタイアされた60代以上の方から、

最近以前のように長く眠れないといった相談が寄せられることがあります。

正常な加齢変化ですから、今必要な睡眠がとれていれば良いのです。睡眠が年齢とともに変化するということを知ることは、自分いとって「良好な睡眠」が何かをしるためには不可欠なのです。

若い人の悩みは、まだまだ寝たいのに睡眠時間が足りないということなのに対して、年を重ねると寝たいのに眠れないという悩みに変わります。ですから、若い世代は十分な睡眠時間を確保することを考える必要があります。

一方、以前のように長く眠れなくなつたと感じる年代の方は、睡眠時間を延ばすことではなくて、逆に、寝たいときに寝られなくなる原因をつくる「余分な睡眠時間」をいかに減らすかが重要になってくるのです。

仮眠の取り方を工夫するなど、昼間の眠気を上手にコントロールする方法も有効です。

引用 『美人をつくる「眠り」のレッスン』