
ボディーサポーターシリーズ、ハイスタンダードモデル “3層構造”が生み出す未体験ゾーンのねむりとは
高品質で低価格なウレタン敷布団として人気の高い、エムールのボディーサポーターシリーズ。なかでも元々はアスリート向けに開発された「ハイグレード」モデルは“3層構造”という特殊な組み合わせで、既存のウレタン敷布団にはない上質の寝心地を提供してくれる。企画のきっかけや3層構造の仕組みについて睡眠改善インストラクター・睡眠健康指導士の資格を持つ高橋幸司が解説します。
敷布団はウレタン素材が最強
ウレタン敷布団を企画し商品ラインナップに加えようと思ったきっかけを教えて下さい。
業界内では有名な、とある枕屋の親父さんとの雑談がきっかけでした。敷布団について話をしていた時、その親父さんが「敷布団はウレタン素材が最強だ」と絶賛した。その後もお会いするたびに「ウレタン素材の寝心地にかなう敷布団はない」と言い続けるものですから、「人一倍、寝具にこだわりを持つ親父さんが絶賛するウレタン素材の敷布団って、どんなものなのだろうか」と興味を持ったのが最初でした。
ただ当時はまだ会社の規模が小さかった事もあり、少ないロットでウレタン素材を提供してくれるような取引先はありませんでした。それがたまたま懇意にしていただいている別の業者さんから現在取引をしている堀田丸正さんのソフラン事業部(寝装具の販売)をご紹介いただいた事で、第一歩を踏み出す事が出来ました。
どのような商品コンセプトを描いて企画を進めましたか?
「簡単」「簡潔」「わかりやすい」をキーワードに進めました。 見た目の美しさといった付加価値よりも実価値を優先。デザインはシンプルである代わりに、他社より低価格で高機能なウレタン敷布団を提供しようと思いました。 まず大きな条件は3つ。
「寝姿勢」「寝返り」「体圧分散」
さらに「腰痛」「サポート」という条件を加えて下記のような表を作りました。
寝姿勢 S字カーブ(自然な寝姿勢)=硬さ
寝返り 骨格を矯正 成長ホルモン分泌=反発弾性
体圧分散 血行促進、S字カーブ(自然な寝姿勢)=素材物性、加工
腰痛 痛み軽減=硬さ・反発弾性
サポート 身体をサポート(支える) 健康をサポート(応援)=ウレタン物性 フローチャート
あえて“高反発ウレタン素材”をメインアイテムにした理由とは
快適なねむりに必要な要素について教えて下さい。
「寝姿勢」「寝返り」「体圧分散」の3つがあります。 低反発素材は「寝姿勢」のサポートは良いのですが、「寝返り」については、身体を沈み込ませて固定してしまいます。そのため心地良い睡眠のために重要な要素である「寝返り」を阻害してしまうという弱点があります。それによって睡眠中の筋肉疲労が大きくなり朝の寝起きに疲労感を残す可能性があります。 一方、高反発ウレタン素材は柔らかいにもかかわらず反発力が強いので身体は沈み込みにくく寝返りがしやすい。そうした理由からあえて「高反発ウレタン素材」にこだわりました。
低反発ウレタン素材と高反発ウレタン素材の反発性の違い
低反発より高反発のウレタン素材をオススメする理由
反発力が強い → 睡眠中の寝返りがスムーズ
耐圧分散性に優れる → 筋肉疲労が少ない
購入時は割高だが耐久性に優れる → 結果的に経済的(耐用年数10年)
*耐用年数は使用状況により変わります
究極のねむりの秘密は特殊高反発ウレタン素材“ノアフォーム”
エムールが開発したウレタン敷布団は全部で7タイプ。体重や用途に合わせて選ぶ事が出来るがなかでも最高峰に位置し、より質の高い睡眠を提供してくれるのが“3層構造”で構成された「ハイスタンダードモデル」だ。
3層構造の仕組みは、下層部は身体を支える役目で沈み込みを調整。中層部は「体圧分散」や「寝返り」に対応するクッション的な役割。ノアフォームという、高密度で低硬度という特殊なウレタンフォームを使用しています。そして上層部は直接、風合いに対応する層になります。
もちろん1層からなるベーシックモデルのウレタン敷布団でも快適な睡眠を提供できますが、3層構造にすることで、睡眠時に最も必要な3つの要素、「寝姿勢(S字カーブ)」「寝返り」「体圧分散」すべてにおいて、最上級の寝心地を実現しました。
一番のポイントは、中層部にノアフォームを使用した事で「寝姿勢」「寝返り」「体圧分散」のすべてにおいて他に追随を許さない寝心地を実現しました。
ノアフォームについてもうすこし教えて下さい。
ノアフォームはMDIポリウレタンフォームとも呼ばれ「高密度でありながら低硬度」という相反している条件を実現させた画期的なポリウレタンフォームです。
柔らかさが求められる「快適指数」と硬さが求められる「サポート指数」は、本来はどちらかを優先すればどちらかが犠牲になってしまいますが、ノアフォームはそのどちらも高い値を得ている奇跡的なポリウレタンフォームと言えます。
ウレタン素材は長時間使用しても快適性が損なわれない事から、ヨーロッパでは近年、椅子のクッション材として使用することが増えてきているそうです。であるならばウレタン敷布団でも上層部で使用したくなる所ですが、あえて中層部で使用しました。
素材の組み合わせを何通りと考えて何十人という方にモニタリングした結果、中層部で使用するのが一番快適な寝心地が得られる事がわかりました。
寝た瞬間だけではなく一晩寝てみての快適性は、体圧分散のデータだけではわかりません。数字では表れない部分のリサーチはより大勢の方に、より多くの構造パターンを試さなければなりませんでした。企画から1年近くかけてようやく最上級モデルの名に相応しい寝心地にたどり着きました。
多摩大学(東京/多摩市)で開催された「健康まちづくり産業」にボディーサポーターハイスタンダードシリーズを出展。体圧分散測定器や枕の高さを測定する機器を使用して理想のねむりを提案した。こうした研究データはすべて商品開発に活かされている。
ハイグレードモデルはさまざまなジャンルのアスリートに提供しています。
アスリートは、身体のケアには人一倍気を使います。そうした方から感想をいただける事は、商品開発には非常に有効です。 現在ではサッカーなでしこジャパンの代表でもある日テレ・ベレーザの岩清水梓選手(日テレ・ベレーザ)。東京ヴェルディの攻撃の中心、常盤聡選手など7人のアスリートと2つの団体に商品提供しています。
トップアスリートからアマチュアまで競技も幅広いジャンルのアスリートに提供する事で、あらゆる角度からさまざまな感想やデータを得る事が出来ます。それらを最大限に生かして今度もモデルチェンジやラインナップの充実をはかろうと考えています。
日テレ・ベレーザの選手たちと共同開発
サッカーなでしこジャパン代表の岩清水梓選手もボディーサポーター高反発モデルの愛用者